「髪が多いので、めいっぱいすいてください」
カットの前、そうおっしゃるお客様少なくありません。
このご要望の方は、こんな思いがあられるとからと思います。
・髪が重いからスッキリしたい
・広がってまとまりが悪いから、量を減らせばまとまりよくおさまるだろう
そこで、美容師目線で、すくとはスキバサミ(セニングシザー)を使います。
このハサミは、短い髪と長い髪、ジグザグにつくっていくものです。
髪の特性で、短い髪は立ち上がりが出来、動きが出ます。
なので、ボリュームを出したい所は、あえて短い髪をつくります。
そうなるとどうでしょうか?…
収まりが良くなりたいのに、短い髪が出来たら、膨らみますよね?
カットしたては良くても、すぐに広がりますね。
あとは、どんなスキバサミを、どう使ってるか、でも違います。
・髪のキューティクルの流れに沿って使えば、髪も傷みません。逆にキューティクルに逆らえば髪はバサバサ、水分量もなくなり傷みます。
・髪の流れや方向性をみて使えば、内巻きにしたい所は、フィンガーブローで簡単に内巻きになります。
・お値打ちな価格のスキバサミを使って、キューティクルに逆らって使うと、お客様は「痛い(>_<)」っと感じられます。
そう考えると、必ずしも「すく」という行為は「スッキリする」というばっかりでないという事です。
カットについて語ると、長くなりますから、この辺にしておきます。
美容師はそれぞれ、育った環境でカット技術は区々で、お客様はその基準が全く分からず、サロンを転々とされる事もあると思いますが、私自身が自分の髪を自分で切った事はありませんし、カットってそのくらい繊細なものと捉えています。
パフォーマンスや見映えで、シャカシャカ、キューティクルに逆らいカットしている方と、髪の質、いたわり、まとまりを考慮したカットは違いますから。
…何となく…頭の片隅に置いといて、ご参考になさってみてください。
BASARA